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第45話 まだ、終わりの顔をしていなかった

last update Terakhir Diperbarui: 2026-01-04 18:10:14

 夜の空気は、冷たくて鋭かった。

 工房の灯りだけが、暗い街の中で白く浮いている。

 若手たちはラインの確認に散り、後藤親方は古い図面を広げて、配管と温度計の位置を確かめていた。

 沈んだ紅葉は、まだテーブルの上に残っている。

 失敗の証拠みたいに。

 でもさっきまでとは違って見えた。

 まだ、終わりの顔をしていなかった。

(あきらめたくない)

 胸の奥で、はっきりと言葉になった。

「……明日夕方じゃ、間に合わない。

 ——今から、手に入るだけ買い集めるわ」

 自分の口から出た声に、迷いはなかった。

 その言葉に、後藤親方の目がわずかに見開かれる。

 沈みかけていた工房の空気が、ふっと揺れた。

「……朝倉さん、それ……できるんか?」

「やるしかない。間に合わせる」

 きっぱりと返すと、

 周囲の職人たちが顔を上げた。

「…………マジか」と誰かが呟き、「いけるかもしれん」と別の声が重なる。

 暗かった視線に、ほんの少しだけ光が戻る。

 工房の空気が変わった。

 目の奥に、また火が灯りはじめる。

(そうだ)

(終わったって決めつけるのは、いつだって外側の誰かだ)

(ここで諦めるかどうかは
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